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『もしもテロにあったら、自分で自分の命を守る民間防衛マニュアル』志方俊之監修・武田信彦著 ウエッジ、2016年
(表紙画像は出版社サイトよりお借りしました)

悪いことというのは、考えなければ起こらないと思いたいです!
読む必要がない世界になりますように、と思う本なのですが、

仮にテロという最悪な事態を想像した時、自分は「何もできないだろう」「どうしようもないだろう」と思っているな、とちょっと愕然としたもので
そんな受け身では生き残れないかもしれない。この本をあえて読んでみました。

本書は軍事アナリストである教授が監修、防犯・安全インストラクターである著者が、「テロから命を守るために何ができるか」をまとめた本です。

大きな災害が起こった時重要なのが、「自助、共助、公助(じじょ・きょうじょ・こうじょ)」だといわれます。本書の説明によるテロ対策でもやはり、自分で自分や家族を守る(自助)が7割、地域や事業者の助け合い(共助)が2割、行政による対応(公助)が1割、という頼りになる割合が示されています。

テレビで自衛隊による救助活動などを見ている印象と、ずいぶんちがって感じられました。
でも考えれば当たり前なのですが、救命時や、災害が起こった際に「国がかけつけてくれる」のはどうしても時間的にずいぶん後です。不幸なことですが、近年の災害で改めて「自助」がクローズアップされてきたといえます。

地下鉄サリン事件の数時間後、私は何も知らずに東京メトロの駅(別の路線)にいたのですが、ひと気がなくホームはしーんとしていました。今思い出すと不気味だったはずで、敏感な人なら何か察知したかもしれませんが、私はなんとも思いませんでした。

目の前で事が起こっても、人間は「そんなわけない、たいした事ない、騒ぐのは恥ずかしい」と否定してしまい、対処が遅れると聞いた事があります。ヴァーチャルに慣れているので、リアルの危機感を察知する能力が下がっているとも。私も思い当たります、とっさに判断する事ができず、固まってしまうのです。

いったい何ができるか、という問いに対して、専門家の意見で多かったものとして「冷静であること」「臨機応変な判断と行動」があげられています。(第2章「問われるのは、一人ひとりの心構え」わたしたちにできること より)これは難しい気がしますが、想定して訓練していれば、判断力が鈍らないと思いたいです。

外出先などで、スマホに没頭していたりヘッドホンなどで遮断していると異変に気づかない場合もあるとのこと、著者は「公共の場所では、視線を上げてまわりに関心を向けること」をすすめています。

避難しなければいけない火事場などで起こりがちな、群集心理の話でよく聞くのが「安全ではなくても、たまたま例外行動をとった人に、ついていってしまう」という心理です。ネズミから人間までそうらしいので、気をつけたいと思います(自分が例外行動しそうで怖いです)。

本書では、刃物をつかったテロ、銃器、爆発物、化学剤、生物剤、果ては放射能テロ、核テロ、武力攻撃その他まで想定して、淡々と身を守る対策を紹介しています。(内閣官房「国民保護ポータルサイト」HPに詳しいです。)

最大の防御のキーワードとしてあげられているのが、時間(素早く、臨機応変に)と距離です。
武装も防護服も着ていない、弱い肉体でもなんとか逃げなければなりません。

本書は、まちがった「自警」は「安全を言い訳にした暴力といえます」と、自衛と暴力は紙一重であるという懸念にもきちんと触れています。自助と共助であったはずの過去の悲劇を繰り返さないよう、肝に命じたいことだと思いました。

最後までお読みいただきありがとうございます♪
救いのある文章にしたかったのですが、難しい。。。
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