978-4-7572-1693-8
『買わない習慣 お金に頼らずかしこく生きる』金子由紀子著/アスペクト、2009年(文庫あり、2013年刊)(画像は出版社サイトよりお借りしました)

今日も買い物関連の本を〜。
相変わらず、無駄に欲しい服のサイトを熟読してしまう、
この本の中で著者が引用していた井原西鶴の言葉「人間は欲に手足の付(つい)たる物ぞかし」(『諸艶大鑑(しょえんおおかがみ)』より)が身にしみる私でございます。

いらないものは一切置かないなど、ミニマルな暮らしかたが紹介されて、すっかり浸透してきたこのごろですが、2009年に出たこの本をパラパラと読んでみたら、ぜんぜん古びていないどころか、この本に似たどんな本にも感じたことのない「綺麗なお金の使い方」がすーっと頭に入ってきました。

お金をかけずに豊かな気持ちになれる・・・そんなフレーズは使い古されたような印象がありますが、この本は極端でもなく、手間がかかりすぎるのでもなく、ある種の本のようにガツガツ・貧乏くさいのでもなくて、おしつけがましくなく、上品な考え方なのに実行しやすいと感じました。(とはいえ、多忙すぎる時にはやはり向きませんが…)なにより、お金にまつわる不安をとりのぞいてくれそうなのです。

読みながら思いだしたのが、何人かの魅力的な友人でした。
そのうちの一人は、いわゆる雰囲気のある女性で(ドミニク・サンダ似なので私の中では勝手にフランス女優と呼んでいます)、彼女が歩くと違う空気が流れていくような感じです。いつもおしゃれな着こなしなので、どんなところで服を買うの? と訊いたら「服には500円以上出さないのよー」と笑っていました。謎すぎます! 思うに、サイズ感を含めたセンスとしかいいようがないですよね。。。大人になったら、それなりの金額をかけたいい服を買わなければいけないのでは、と考えていた私には衝撃でした。

そんな人たちを連想する実例も出てきますが、「買い物が暮らしを貧しくしている」一例では、たいして私とかわらないと思える家計簿、毎日何かしら小出しにしているお金の例が出てきて、危機感を感じました。
「買わない習慣」といってもね、わかっているんだけど仕事忙しいし、という人にも取り入れやすい手順や内容が示されています。読むうちに、無理なくひきしまっている感じです。

いちばん興味深かったのは、「買わない一週間」チャレンジレポート。立場や働き方の違う人が、仕事などに必要なもの以外はなるべくお金を使わずに過ごしたレポートです。がまん比べではなく、「今あるもの、持っているもの」が光って見えるためのものでもあるし、工夫などの楽しみやコミュニケーション、すっきり感を生むものだと改めて気付かされます。私もやってみたいです。

さらに、買わない節約ばかりでなく、この本が目的とする「(本当に欲しいものを)買うために買わない暮らし」のために、買い物をするときのコツが五か条にまとめられています。以下に引用させてもらいますが、私はこれもできていなかったのかもしれません〜。

 その1 会話をして買う(付加価値や情報交換の意味もありますが、会話をしなくてよい買い物は、もしかしたら結果的に何か損なわれるというか、消耗するのかもとも思いました)
 その2 同行の人の意見を聞いて買わない
 その3 買う予定以外のもの以外買わない
 その4 「買っていい時間」を決める
 その5 「買わない」を楽しむためのセリフを覚えておく


著者は以前、人生の最大の危機と呼べるような経験をし、経済的にも困窮し、生きる意味がないと追い詰められた時期があったとあとがきにありました。
それでも「厳しい現実と闘いつつも、心に美しいものを持ち、それを他と分け合うことを、忘れたくないと思います。それなくしては「買わない習慣」の意味もありません」(本文より)と書いています。
つらい経験から、本当に大事なものが抽出されてきたのだと思います。

読み終わってモヤモヤが晴れたようなスッキリした気持ちと、今までさんざん似たような本や雑誌を読んできたにもかかわらず、ぜんぜん進歩していない自分を感じました。
仕事や状況は移り変わるので、ときどきはこうした本を読んで、基本に立ちかえらねばと思ったしだいです。著者は様々な本を出しているので、新しい本も読んでみたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
私も物欲と戦います。
いつもボタンを押してくださる方、拍手まで下さる方、本当にありがとうございます。
何かに徳を積んでいらっしゃると思います!

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